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自分がかかった病気:外陰がん-1

闘病記とまではいきませんが、自分の経験をここに記します。

外陰がんとは

読んで字のごとく、外陰部に発生するがんです。多くは大陰唇に発生しますが、小陰唇や陰核にも発生することがあります。

詳しくはこちら⇒国立がん研究センター運営、がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/vulva/index.html

外陰がんと新たに診断される人数は、1年間に腟がんと合わせて100万人あたり約5~10人です。希少がんの一つに数えられます。好発年齢も高齢のため、体験談などの情報があまり出てこないのが実情です。

外陰がんと分かるまで

ここからは、自身の体験をベースに書いていきます。

妊娠7か月頃のことでした。いつも通り妊婦検診に行きました。医師に言われたのは、『膣内に尖圭コンジローマが多数できていて、経腟分娩だと赤ちゃんに感染する可能性があるから、帝王切開の方が良いかもしれない。そうなるとここ(産婦人科クリニック)だとできないから、総合病院に転院してもらうことになる。』ということでした。

帝王切開になることは全く抵抗はありませんでした。出産方法に優劣などありませんから。

紹介状をもらい、総合病院の産婦人科にかかりました。

産婦人科医
産婦人科医

確かに膣内に尖圭コンジローマができているので、帝王切開が良いと思います。

この外陰部の方のできものはいつからあるんですか?

えむわい
えむわい

結構前からあったと思います。2~3年前ですかね……。

産婦人科医
産婦人科医

何か症状はありますか?

えむわい
えむわい

かゆみがあります。痛みはありません。

産婦人科医
産婦人科医

皮膚科に診てもらいたいので、次は皮膚科の予約を取っていってください。

産婦人科だけでなく、後日、皮膚科で診てもらうことになりました。

皮膚科医
皮膚科医

外陰部のできものですね。確定診断をするために生体検査したいので、別の日に手術をします。

手術と言っても、局所麻酔をして、数ミリ皮膚を切り取り、縫合をして終わりです。

ということで、また後日皮膚科に行き、手術を行いました。生検に出し、1週間ほどで結果が出ました。

上皮内がんでした。結果を聞いたのは産婦人科の医師からですが、ショックが大きくあまりよく覚えていません。浸潤はなく、進行もしていない、ということだけ覚えています。

  • 尖圭コンジローマがあるから、帝王切開するために総合病院に転院
  • 外陰部にできものがあるから生検
  • 結果、上皮内がん(外陰がん)
  • 入院の手続き

たった1か月の間に上記のことが進みました。

治療について

外陰がん治療は手術により病巣を取り除くことが基本です。ただ、好発年齢が高齢なこともあり、手術に耐えられる体力があるかどうか?雑菌が繁殖しやすい部位のため合併症のおそれもあるなど、様々なことを勘案し、化学療法や放射線治療が行われることもあります。

私の場合は、がんが上皮内にとどまり(浸潤していない)、リンパ節への転移なども見られないことから、外陰部の単純切除術が選択されました。ただし妊娠中に手術はできないので、産後約3週間後に入院・手術を行うことになりました。帝王切開の傷もまだ癒えていませんが、早いに越したことはありません。

手術前のあれこれ

手術の3日前から入院しました。手術までの間に、主治医からの説明、麻酔科医からの説明、造影CT検査、口腔外科での検査などが行われます。

主治医からの説明

夫と一緒に今回の手術の説明を聞きます。

  • 何のための手術?・・・・・・外陰部のがんを根治するための切除術
  • どんな手術?・・・・・・大陰唇、小陰唇、陰核を切除し、範囲が広いため、太ももから皮膚を薄く採り、植皮する。
  • 手術後は?・・・・・・直腸バルーン、尿道カテーテルを使用するので、寝たきりになる。術後1週間で生着具合を確認、2週間で抜糸。
  • 退院は?・・・・・・生着具合を確認して、入院を続けるか、退院して抜糸は外来で行うか決める。

以上の確認を行い、主治医の説明は終了です。

麻酔科医からの説明

麻酔の注意点などの説明を受け、手術当日にならないと硬膜外麻酔か全身麻酔か決まらないが、希望はあるかの確認をされました。帝王切開の時に気持ち悪くなったし、意識があるまま手術を受けたくなかったので全身麻酔を希望しました。

造影CT検査

がんの広がりの最終確認的に検査を行いました。造影剤を使用することで、がん細胞の有無や広がりが分かりやすくなります。点滴で造影剤を入れていきますが、造影剤が入ると、喉からお尻の辺りまでじわ~っと熱くなる感じがあります。

口腔外科での検査

全身麻酔を使用する可能性がある場合には口腔外科で検査が行われます。口から管を入れる場合にぐらついた歯があると、抜けたり折れたりという問題が起こることがあるからです。歯科医師の診察と、クリーニングを受けて終了です。

いよいよ手術

残念ながら、全身麻酔ではなく硬膜外麻酔でした。背中にまず局所麻酔を打ち、その後、脊椎の中の硬膜外腔に管を挿入して麻酔薬を注入します。割とすぐに気持ち悪くなってしまったので、眠らせてもらいました。

目が覚めたら手術が終わっている、と思いきや、まだ手術中でした。

麻酔も切れてきて痛い痛いと喚きました。麻酔を追加してもらいましたがまたすぐに切れてしまったのか、皮膚を切り取った太ももがとにかく痛いのです。それだけで終わらず、医療用ステープラーを麻酔が効いていない状態で何発かやられました。

人生で一番痛い思い出です。二度と味わいたくありません。

長くなるので一旦ここで区切ります。

今回は外陰がんの診断~入院~手術までを記事にしました。次は手術後の入院生活~退院後のお話の予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました。